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2022/06/27 【夏至】

もうすぐ、1年の半分が過ぎよう
としています。
あなたにとって、どんな半年でした?

梅雨真っ只中。京都は雨が降ったり
止んだり、晴れ間が見えたと思ったら、
大粒の雨が一瞬降りました。

《京都・鴨川名物&京都・夏の風物詩》
一定の距離感が絶妙な「等間隔カップル」
『鴨川納涼床』もNHK『ブラタモリ』で
紹介されていました。

鴨川の納涼床の下を流れる
「みそそぎ川」ができたのはなぜ?
如何にも、京都検定的な問題のようだ。
名目上、高瀬川の水量調節のため
「みそそぎ川」を作ったようです。
貴船の川床のように、川が遠いか?
川が下を流れているかじゃ、
まったく、風情が違ってくるからね。

京都検定的には、鴨川納涼床は、
二条大橋~五条大橋に掛けて…。
を知っていれば、ひとまずいいかも。
「鴨川」の問題はたくさん過去問あり。

【夏至】
「陽熱至極し また日の長さの 
       いたりなるを以て也」

「夏至」は、地球の自転軸が太陽に対し、
23.4度程度と最も傾くため光量が変化し
夏になり、その瞬間を「至」と呼びます。
北半球が「夏至」ならば、
南半球は「冬至」

秋の「夜長」に対し、
短く明けやすい夏の夜を「短夜」と呼び、
古来よりその儚さを尊びました。

平安期、清少納言は、
「夏は夜 月のころはさらなり 
  闇もなほ 蛍おほく飛びちがひたる」
『枕草子』に記し、夏の最も素晴らしい
時間帯を「夜」といい讃えました。

《七十二侯・初侯》
『乃東枯』 6月21日〜25日頃
『なつかれくさかるる』と読みます。
『乃東』とは「冬至」に芽を出した
「靫草(うつぼぐさ)」が「夏至」に枯れる
「夏枯草(かこそう)」の古名です。

地球環境の変化から「靫草 」の開花期は
6月~8月頃、場所にもよりますが、
枯れる時期ではなくなったのが残念。
日当たりの良い山野の草地に群生し、
花穂の上から開花し、一番下に小花が
咲く頃、上のほうは枯れ始めて茶褐色
になリます。
夏本番を迎える頃、枯れて黒くなり、
花穂をいつまでも残しているのが特徴。
枯れて茶色くなった花穂が
「夏枯草 」。

「夏枯草」の名で、中国の最古の医学書
『神農本草経』に記されているように、
非常に古い生薬といえるでしょう。
徳川光圀が穂積甫庵(ほづみようあん)に、
編纂させた『救民妙薬』にも「夏枯草、
うつぼ草ともいう」と記されています。

「なつかしき 春の形見か
  うつぼ草 夏の花かや 紫にして」 
      与謝野晶子『夢之華』より

「靫草 」の名は、花穂の形が弓矢を
束ねて入れる漆塗りの「靭」に似ている
ことに由来。

紫色の花の「靫草 」の漢方名でもあり、
煎じて飲めば、利尿・消炎作用があり、
煎液は、捻挫・腫物の塗り薬でもあり、
江戸末期『救民単方』には、口内炎、
扁桃炎、結膜炎に利用すると記され、
現在はうがい薬にも用いているように、
「all-heal = 全てを癒す」
英名が「靫草 」です。

《水無月&夏越祓(なごしのはらえ)》
1年の折り返しにあたる6月30日。
京都では、半年の罪や穢れを祓い、
残り半年の無病息災を祈願する
「夏越祓」が行われます。

昔、宮中では、氷室(京都衣笠山西麓)から
氷を取り寄せ、氷を口にして暑気払いを
しました。
貴重な氷は民の手には入りにくく、
半透明の白い外郎生地に邪気を祓う
小豆をのせ、麦粉を練って氷室の氷片に
準えて食べていました。
夏の酷暑を乗り切り、無病息災を祈願する
三角形の餅菓子です。
それが京都発祥の『水無月』です。

禿庵近く、江戸時代の文化3年(1806年)に
創業『柏屋光貞』さんでは、
6月29、30日の二日間限定で、
『水無月』が予約された方が?…
販売されます。

「柏屋光貞」さんといえば、
「祇園祭の宵山」7月16日限定で
販売される『行者餅』
予約は不可で、16日午前9時から販売
されるので、並ぶこと必至?ですが、
「油照り」と称される京都の蒸し暑さ
極まる最中、狭い歩道に長蛇の列?に
並んで手に入れます。

『行者餅』は、京に疫病が大流行した
文化3年の夏、4世・利兵衛が山伏として
大峰山廻峰修行中に霊夢でお告げがあり、
夢枕に現れた役行者のお告げに従って
帰洛後、行者の衣を模した菓子を作り、
祇園祭に「役行者山」にお供えされたのが
由来。
縁ある方々に配られ、その方々は疫病から
免れ、無病息災の霊菓と喜ばれたそう。

節分の日、『法螺貝餅』も1日限定販売!
左京区・聖護院さんが節分会で
一般参拝者を受け入れるようになり、
岩本光徹門主の要望に応えて
柏屋光貞さんの9代目が作られた
厄除けのお菓子。

味噌餡に甘く炊いたゴボウを
挿し吹き口にして、小麦粉汁を鉄板で
焼いた薄い皮を巻きつけて、
法螺貝に似せてあります。
新年早々?〜1月中旬の間に予約必須。
『法螺貝餅』も『行者餅』も
京都検定に過去問ありですよ。 

画像がなくて、ごめんなさい。
七十二侯・初侯が過ぎようと…。
暑苦しい長文にお付き合い頂きまして
有難うございました。
関西は梅雨本番!
熱中症対策をしっかりと!
気をつけて、お過ごし下さいね。


أشكركم شكرا جزيلا

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